スターバックスの仕様を知らず女三人に馬鹿にされる父
今年の6/30から8/3までの間スターバックスが全国47都道府県で各県限定のフラペチーノを販売していた。
毎日スターバックスに通い、新作は販売開始日に飲み、その写真をフォロワーたった28人のインスタのアカウントに載せるということをしている自称トレンドハンターの私はできるだけ多くのフラペチーノを飲んでやろうと躍起になっていた。
最初に飲みに行ったのは地元埼玉県だ。
埼玉県にはこれといって有名なものはない。
強いていうなら深谷ねぎ、草加せんべいが挙げられるが、どちらもフラペチーノにするものではない。
期待はせずに近所のスターバックスに行き、メニューを見ると
多彩玉
の文字が目に飛び込んできた。
"ダ埼玉" と他県から馬鹿にされ、ついには埼玉を題材にした漫画や映画まで出てくるなど、苦しい思いをしてきた我が愛する地元埼玉が、その "ダ埼玉" を逆手に取り"多彩玉" にするなんて誰が思ったことか。
驚くべきはそれだけではない。
"ダサい" を "多彩" にしてみせただけでなく、残った "玉" はトッピングとしてピンクとブルーのアラザンとなっていた。
なんということだ。私は今までの自分を殴りたくなった。
埼玉はもう私たちの知っている埼玉ではない。
着々と前へ歩んでいたのだ。
ダサいではなく、多彩な埼玉県が都道府県魅力度ランキングの上位に躍り出る未来が私には見える。
これからの埼玉県、いや、多彩玉県に幸あれ。
そして埼玉県の未来は明るいと言うことがわかった数日後、
関東に住んでいる者として関東のフラペチーノは全て飲みたいという私の願いを叶えるべく私の父親が、車を出してくれた。
群馬県に向かう車中、私たち家族は地元フラペチーノの話で盛り上がっていた。父親は出張が多いため、出張先の地元フラペチーノをいくつか飲んだという。
父「この前はびっくりしたよ〜。大阪のスタバに行った時に "フラペチーノください" って言ったら、店員さんから "どのフラペチーノにされますか?" って言われたんだよ(笑)」
母姉私「??!」
どうやら父はスターバックスにはフラペチーノは一つしかないと思っていたらしい。
あまりの衝撃に母姉私は笑い転げた。
母「スタバ行って "フラペチーノください" って言ったってことは、マックに行って "ハンバーグください" って言うのと同じだからWWWWWW」
姉「八百屋に行って "野菜ください" って言うのと同じだからWWWWWW」
私「トヨタ行って "車ください" って言うのと同じだからWWWWWWWWWW」
ツッコミの秀逸さに自分自身驚きながら私は
出張続きの体には堪える休日の長時間運転を嫌な顔せずするも、
その車中で女三人に笑われ馬鹿にされる父をほんの少しだけ不憫に思った。
これからの父の未来に幸あれ。